虫歯の初期症状
- 歯の一部が白く濁っている
- 歯の一部が茶色く変色している
- 奥歯の溝に沿って黒く変色している
- 詰め物のまわりが変色している
- 冷たいもの、甘い物がしみる
- デンタルフロスが引っかかる、毛羽立つ
虫歯の進行速度は?
歯が健康な状態から虫歯になるまでは、1カ月ほどかかると言われています。しかし、エナメル質が薄い・虫歯菌に対する抵抗性が低い「乳歯」や「萌出して数年以内の永久歯」はこれよりも短い期間で虫歯が発生し、さらにその後の進行も早くなります。
また、部位別ですと歯の根は、歯冠部(普段見えている部分)よりも虫歯の進行が早くなります。加齢、歯周病などによって歯茎が下がって歯の根が露出している場合には、特に注意が必要です。
虫歯になる原因・リスク
虫歯の原因は、ミュータンス菌などの虫歯菌が出す酸によって、歯が溶かされることです。
そして虫歯菌は、プラーク(歯垢)にたくさん潜んでいます。
虫歯菌の栄養源となる「糖分を摂りすぎる」、食後に「すぐ歯を磨かない」、加齢などによって「唾液の分泌量が低下する」といった、さまざまな要因が重なることで、虫歯のリスクが高くなります。
虫歯の治し方
虫歯の治療は、その進行具合によって異なります。
進行具合は大きく、以下のように分類されます。それぞれの段階における基本的な治療法とあわせて、ご覧ください。
C0
歯の一番外側の層、エナメル質が少しずつ溶けだしています。
症状
この段階ではまだ無症状です。
基本的な治療法
毎日の丁寧なブラッシング、歯科医院でのフッ素塗布によって、歯を削らずに治すことが可能です。
C1
エナメル質に、穴があいてしまいました。エナメル質の下の象牙質にはまだ達していません。
症状
- 歯の部分的な白濁
- 歯の部分的な茶色っぽい変色
基本的な治療法
虫歯部分を削り、レジンを充填します。
C2
虫歯の侵食が、象牙質にまで達しました。肉眼でもなんとか分かるほどの穴があきます。
【症状】
- 冷たいもの、甘い物がしみる(痛い)
- 奥歯の溝に沿った黒い変色
- デンタルフロスが引っかかる、毛羽立つ
【基本的な治療法】
虫歯部分を削り、型取りをして、詰め物を作製・取り付けます。
C3
虫歯の侵食が、象牙質のさらに奥、歯の中心にある歯髄にまで達しました。
症状
- ズキズキとした慢性的な痛み
- 温かいものがしみる
基本的な治療法
虫歯部分を削って神経を除去する「根管治療」が必要になります。その上で、型取りをして、被せ物を作製・取り付けます。
C4
虫歯の侵食が歯冠部(歯の外から見えている範囲)をほとんどに及び、歯の根だけが残っています。炎症が歯の根への広がり、膿のかたまりを生じさせることもあります。
症状
- 神経が死ぬことで一時的に痛みがなくなるが、その後炎症が歯の根に拡大すると、激しい痛みに見舞われる
- 発熱を伴うことも
基本的な治療法
抜歯を検討せざるを得ません。抜歯後は、入れ歯、インプラント、ブリッジなどの治療が必要になります。
虫歯を放置すると
どうなる?
虫歯かなと思ったら、すぐに当院にご相談ください。
虫歯放置すると、以下のようなことが起こります。治療期間が長く・通院回数が増え・費用がかかるなど、メリットは1つとしてありません。
虫歯が大きくなる・
痛みが強くなる
虫歯が大きくなり、その侵食が歯髄に迫るため、痛みが強くなります。
初めは冷たいものや甘い物、その後温かいものもしみるようになり、神経が侵されると慢性的なズキズキとした痛みが続きます。神経が死んでしまうと一時的に痛みは治まりますが、歯の根に膿が溜まるようになり、再度、激しい痛みに襲われます。
治療の範囲が広がって
大がかりになる
虫歯が大きくなるほど、歯を削る量も多くなります。レジンの充填で治せたものでも、詰め物が必要になり、さらに被せ物が必要になり…と、放置するほど治療が大がかりになります。
特に虫歯が神経に達している場合、その神経を除去し洗浄・消毒・薬剤充填を行う「根管治療」が必要になり、途端に通院回数が増えてしまいます。
また当然ながら、治療が大がかりになるほど、治療費もかさんでしまいます。
※当院では、保険・自費ともに根管治療に対応しております
全身に細菌が広がる
絶えず、あるいは断続的に細菌が血液へと流出することを「菌血症」と呼びます。虫歯を放置していることで細菌(虫歯菌)が小さな傷や歯周ポケットから血液に入り込み、この菌血症を引き起こすことがあります。
体力が低下したとき、睡眠不足になっているときなど、菌血症は動脈硬化および心筋梗塞・脳卒中のリスクを高めることになります。
虫歯菌が顎の骨を腐らせる
虫歯を放置すると、口内の虫歯菌の数が増えます。すると、虫歯菌が歯周ポケットを介して顎の骨に感染する「骨髄炎」という病気を引き起こすことがあります。
悪化すると骨壊死(骨が腐ること)に至り、激しい痛みやしびれなどの症状が現れます。
虫歯菌が鼻に広がり
副鼻腔炎になる
上の歯の虫歯を放置した場合には、虫歯になった歯の根から感染が拡大し、副鼻腔炎(歯性上顎洞炎)を引き起こすことがあります。
副鼻腔炎の症状には、ひどい鼻づまりや頬の痛み、鼻からの異臭、噛んだときの痛みなどが挙げられ、これらはいずれもQOLを大きく低下させます。