進行が速い子供の虫歯について
乳歯は、永久歯と比べてエナメル質が薄いため、虫歯が発生しやすい・進行しやすい傾向があります。
そのため、「何度も虫歯になってしまう」というケースも少なくありません。また子供は大人のように、小さな違和感に気づくことができないため、発見・治療が遅れがちです。歯医者さんが嫌いで痛みを我慢してしまう、ということもあるでしょう。
乳歯の虫歯が多くなると、永久歯列期に虫歯になる可能性も高くなり、将来的なお口の健康を損なってしまうこともあります。
毎日の歯磨き・仕上げ磨きはもちろんのことながら、定期検診・予防を組み合わせて、お子様のお口の健康を守りましょう。
子どもが虫歯になりやすい原因
子どもが虫歯になりやすい原因について、改めてご説明いたします。
磨き残し
子どもは、大人ほど上手に歯磨きができません。特に仕上げ磨きをしていない場合や、定期検診を受けていない場合には、磨き残しや歯石が多く、虫歯リスクが高くなります。
だらだら食べ・おやつ
おやつなどを食べる時に時間をかけすぎると、口内がなかなか中性に戻らず、虫歯が発生しやすくなります。ゲームをしながら、テレビを観ながらの「ながら食べ」はさせないようにし、時間を決めて決まった量のおやつを食べさせるようにしましょう。
乳歯の歯質
乳歯は、エナメル質が薄いため、そもそも永久歯と比べて虫歯になりやすい・進行しやすい歯です。
乳歯列期は、特に虫歯に注意が必要です。
家族の虫歯
生まれたばかりの赤ちゃんのお口には、虫歯菌が存在しません。その後、大人から虫歯菌が感染することで、初めて虫歯リスクが発生します。
食べ物の口移し、スプーンや箸の共用は、たとえご親子でも避けるようにしてください。
子どもの虫歯を放置するとどうなる?
他の歯も虫歯になる
ある1本の歯が虫歯になったということは、口内の汚れ・虫歯菌が多いということになります。
他の歯も虫歯の危険にさらされている状態ですので、速やかに治療を行わなければ、虫歯になる歯が増えてしまう可能性が高くなります。
顎の発育に影響する
痛みにより反対側の歯ばかり使って食事をする、十分に噛まずに飲み込んでしまうということを続けていると、顎の発育に影響することがあります。
永久歯の歯並びが乱れる
顎の発育が不十分となったり、虫歯で乳歯を早くに失ってしまうと、永久歯の歯並びに影響するおそれがあります。
デンタルIQに影響する
「歯が痛くなっても我慢する・歯科医院を受診しない」ということが当たり前になってしまうと、お口の健康への意識が育ちません。大人になっても、虫歯治療を受けられない・予防をできないということにもなりかねません。
子どもの虫歯の治療法
虫歯治療は、虫歯の進行レベルに応じて異なります。早期であればあるほど、痛みが少なく、負担の少ない治療が可能です。
進行レベル | 症状 | 主な治療法 |
---|---|---|
C0 表面のエナメル質が溶けている |
・歯の部分的な濁り(ホワイトスポット) |
この時点であれば、歯科医院でのフッ素塗布、ご自宅での丁寧な歯磨きによって、歯を削らずに治すことが可能です。 |
C1 エナメル質に穴があいている |
・歯の部分的な変色(茶色・黒色) | 虫歯部分を削り、レジンを充填する治療が必要になります。 |
C2 象牙質まで進行している |
・噛んだ時の痛み ・冷たいものがしみる |
虫歯部分を削り、型取りをして、詰め物を取り付ける治療が必要になります。 |
C3 神経まで進行している |
・痛みが常に続く ・温かいものがしみる ・神経が死ぬと、痛みが消える |
神経を取る治療(根管治療)を行います。 |
C4 歯の根っこまで進行している |
・感染が歯の根に拡大し、再度強い痛みが現れる | 抜歯の適応となります。根管治療によって歯を残せることもあります。 |
痛みの少ない治療に対応します
虫歯治療は、痛くて怖いものだと思い込まれているお子さんや、お子さんの治療に対して不安を抱えておられる保護者の方も多いかと思います。
当院では、痛みの少ない治療を積極的に行い、「歯医者さん=怖くて嫌なところ」といった概念を取り除けるよう、日々取り組んでおります。
子どもの虫歯は親の責任?落ち込まずに次の対策を
子どもに限らず誰でも、虫歯がないに越したことはありません。
しかし冒頭でも申し上げたさまざまな要因によって、「予防を頑張ったのに虫歯になってしまった」というケースが見られます。そういった場合に、ひどく気に病んでしまう親御様もいらっしゃいますが、どうか必要以上にご自身を責めないようにしてください。
当院では、虫歯をただ治すだけではなく、その原因を探り必要に応じた予防策をご提案します。虫歯になってしまった時にも、その後は1本でも多くの虫歯を予防できるよう、精一杯サポートさせていただきます。
虫歯になりやすい子どものための予防と改善策
気をつけているのに虫歯になってしまうという場合には、改めて基本となる予防策・改善策ができているかどうかを確認しましょう。
食後の歯磨き
歯磨きは、間食を含めて毎食後必要です。小学校高学年までは、できる限り仕上げ磨きも継続してあげてください。
フッ素を配合した歯磨き粉を使うのも虫歯予防に有効です。
フッ素塗布
歯質を強化し、歯の再石灰化を促すフッ素塗布は、子供の虫歯予防として非常に有効な手段となります。
フッ素塗布の効果は、約3カ月続くと言われています。定期的にフッ素塗布を受けることをおすすめします。
食事内容・時間の改善
できる限りご家族で食卓を囲み、よく噛んで食べ、ダラダラと時間をかけないように注意してあげてください。
やわらかいものばかり食べる、甘いものをたくさん食べるといったことも控えましょう。
進行止めの塗布
歯科医院では、虫歯の進行を止める薬として、乳歯にサホライドを使用することができます。
主に、歯を削る治療が難しい場合に使用します。永久歯の見た目や健康に影響を与えることはありませんので、ご安心ください。
乳歯の虫歯予防は当院へ
さまざまな要因により、乳歯は永久歯と比べて虫歯リスクが高くなることがお分かりいただけましたでしょうか。虫歯を100%防ぐということはできません。しかし、虫歯に強いお口をつくること、虫歯になりにくい環境を整えることで、虫歯ゼロを目指すのは大切なことです。もし虫歯になってしまったとしても、虫歯に強いお口、虫歯になりにくい環境は、未来のお口の健康を守ってくれます。
お子様の虫歯予防を始めたい方、健康なお口をプレゼントしたい方は、ぜひ当院にご相談ください。